筋肉というと、身体を動かしたり、姿勢を維持したりするための組織というイメージがあると思います。
しかし、近年の運動生理学では、筋肉はホルモンに似た働きを持つ物質を分泌する「内分泌器官」としても注目されています。
その代表がマイオカインです。
1.マイオカインとは?
マイオカインとは、主に骨格筋から産生・分泌される生理活性物質です。
筋肉が収縮すると、さまざまなマイオカインが分泌され、筋肉自身だけでなく、脂肪組織や肝臓などにも作用します。
その働きには、
• エネルギー代謝の調節
• 糖や脂肪の利用促進
• 筋肉の修復や適応
• 炎症反応の調節
• 全身の代謝環境の改善
などがあります。
つまり、筋肉を動かすことは、筋力を高めるだけではなく、身体全体の健康維持にも関係しているのです。
2.注目されるIL-6の抗炎症作用
代表的なマイオカインがIL-6です。
IL-6は炎症を促進する物質として知られていますが、実は筋肉の収縮によって一時的に分泌されるIL-6には、異なる生理的な働きがあります。
運動によって筋肉から分泌されたIL-6は、
• エネルギー代謝を調節する
• 脂肪の利用を促す
• IL-10などの抗炎症性サイトカインの誘導に関係する
• TNF-αなどの炎症関連物質を調節する
といった働きに関与します。
重要なのは、IL-6は常に悪い物質でも、常に良い物質でもないということです。
運動時に筋肉から一時的に分泌される場合と、慢性疾患などで長期間高値が続く場合では、生理的な意味が異なります。
3.肩こりとマイオカインの関係
肩こりがある方の中には、肩を動かす機会が少なく、首や肩の筋肉を持続的に緊張させている方がいます。
このような状態では、筋肉を十分に活動させる機会が少なくなり、身体全体の運動不足にもつながります。
マイオカインの分泌を考えると、肩こりのケアでは、筋肉を緩めるだけでなく、適切な筋収縮を取り入れることが重要です。
例えば、
• 肩甲骨をゆっくり動かす
• 背中の筋肉を軽く収縮させる
• 肩を無理のない範囲で動かす
• 下肢や体幹も含めて全身を活動させる
といった方法です。
特に、全身の大きな筋肉を使う運動は、マイオカインの分泌という観点からも重要です。
4.整体で大切にしたいこと
整体では、硬くなった筋肉を緩めることに加えて、筋肉が適切に働くための身体づくりを目指します。
筋肉をほぐした後に、肩甲骨や体幹の運動を組み合わせることで、動きやすさを維持しやすくなります。
筋肉は、使わないことで衰えるだけでなく、使うことで身体の健康を支える生理活性物質を生み出します。
肩こり改善には、筋肉を休ませることと、適切に活動させることの両方が大切です。
次回は、マイオカインとも深く関係する「活性酸素」と「酸化ストレス」について解説します。
銀座 KARADAコンディショニングスタジオ i-Potential
