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脳科学コンディショニング法

第4回:腰痛改善には筋力トレーニングが必要?体幹・股関節の筋力と運動療法

腰痛には腹筋や背筋を鍛えればよい?

腰痛があると「腹筋や背筋を鍛えた方がよい」と考える方は少なくありません。確かに、体幹や股関節周囲の筋力・持久力は、立つ、歩く、持ち上げるといった動作を支える重要な要素です。
しかし、腰痛の改善に必要なのは、単純に筋肉を強くすることだけではありません。必要なタイミングで筋肉が働くことや、体幹と四肢が協調して動くことも大切です。

筋力と筋活動の協調性は異なる

筋力は、筋肉が発揮できる力を指します。一方、協調性は複数の筋肉や関節が、動作に応じて適切に働く能力です。
例えば、荷物を持ち上げるときには、体幹、骨盤、股関節、下肢の筋肉が協調して働きます。筋力が十分でも、動作の中で身体の使い方がうまく調整できなければ、動作がぎこちなくなることがあります。
そのため、腰痛に対する運動療法では、筋力だけでなく、動作の質や持久力、身体の使い方も評価します。

腰痛に対する運動療法のエビデンス

腰痛に対する運動療法には、体幹筋の強化、筋持久力トレーニング、運動制御エクササイズ、有酸素運動、全身運動など、さまざまな方法があります。
JOSPTの2021年臨床実践ガイドラインでは、慢性腰痛に対して、体幹筋の強化・持久力運動、複合的な運動、有酸素運動、一般的な運動などを推奨しています。
また、WHOの2023年ガイドラインでも、慢性一次性腰痛の成人に対して、構造化された運動プログラムをケアの一部として提供することが推奨されています。ただし、運動方法の優劣を一律に決められるほど、すべての方法の比較エビデンスが十分にあるわけではありません。

どのように運動を始める?

腰痛の状態や体力に合わせ、無理のない範囲から始めることが重要です。
• 体幹の運動: 腹部や背部の筋肉を適切に働かせる
• 股関節の運動: 股関節を使った立ち上がりやヒップヒンジ動作を練習する
• 持久力運動: 歩行など、継続可能な活動を取り入れる
• 全身運動: 体幹と四肢を連動させた動作を練習する
運動中に強い痛みが出る場合や、症状が悪化する場合には、負荷や方法を見直す必要があります。

i-PotentialのモビライゼーションPNFと運動機能の回復

i-Potentialでは、まず腰部、骨盤、股関節、体幹の動きを評価します。そのうえで、必要に応じてモビライゼーションPNFを用い、対角・螺旋方向の運動と抵抗を通じて、筋活動や身体の協調性を促します。
その後、施術による変化を確認しながら、体幹や股関節の筋力強化、立ち上がり、歩行などの機能的な運動につなげます。

施術は運動の代わりではありません。身体を動かしやすい状態を目指し、その変化を実際の運動や日常生活に結びつけることが重要です。

まとめ

腰痛の改善には、筋力だけでなく、筋持久力、運動制御、全身の協調性を含めた運動療法が重要です。身体の状態に合わせて負荷を調整し、継続できる運動を組み立てましょう。

参考文献
• George SZ, et al. Interventions for the Management of Acute and Chronic Low Back Pain: Revision 2021. J Orthop Sports Phys Ther. 2021;51(11). doi:10.2519/jospt.2021.0304.
• World Health Organization. WHO guideline for non-surgical management of chronic primary low back pain in adults in primary and community care settings. 2023.
• Systematic Review to Inform a WHO Clinical Practice Guideline: Benefits and Harms of Structured Exercise Programs for Chronic Primary Low Back Pain in Adults. 2023.
腰痛に対する運動療法は、WHOと理学療法の臨床実践ガイドラインの双方で支持されています。

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