腰をひねると痛い。その原因は腰だけ?
振り向く、寝返りをする、後ろの物を取る。このような動作では、腰椎だけでなく胸椎、胸郭、骨盤、股関節が連動しています。
胸椎は背骨のうち胸郭とつながる部分です。胸椎や肋骨の動きが小さくなると、体幹を回旋する際の運動配分が変わる可能性があります。
ただし、胸椎の動きが悪いことだけで腰痛が生じると断定することはできません。腰痛は複数の身体的・心理社会的要因が関係することのある症状です。
胸椎と胸郭の役割
体幹の回旋は、胸椎の回旋、肋骨の動き、腰椎、骨盤、股関節の運動が組み合わさって生じます。
例えば、立位で身体を右に向けるときには、胸郭と骨盤の回旋が協調します。胸椎の回旋が小さい場合、ほかの部位の動き方が変化することがあります。
腰痛のある人を対象に脊柱運動を調べたシステマティックレビューでは、腰椎の可動性だけでなく、胸椎の前額面・水平面の運動にも差が認められたと報告されています。ただし、これは集団としての傾向であり、すべての腰痛患者に当てはまるわけではありません。
腰痛の評価では何を確認する?
腰痛の評価では、次のような項目を確認します。
• 胸椎の回旋や伸展の動き
• 胸郭の左右差や呼吸に伴う動き
• 骨盤と胸郭の協調性
• 腰椎の屈曲・伸展・回旋
• 寝返り、立ち上がり、歩行などの動作
重要なのは、単に可動域が小さいかどうかだけでなく、実際の生活動作でどのような動き方をしているかを把握することです。
モビライゼーションPNFによるアプローチ
i-Potentialでは、腰部に痛みがある場合でも、必要に応じて胸郭や肩甲骨など、比較的動かしやすい部位から運動を促すことがあります。
モビライゼーションPNFでは、対角・螺旋方向の運動と適切な抵抗を用い、身体の複数の部位が協調して動くことを目指します。
例えば、肩甲骨の運動を促しながら体幹の回旋や骨盤との連動を確認し、施術後に腰部の動きや日常動作を再評価します。
これは胸郭や肩甲骨への施術が腰痛を必ず改善するという意味ではありません。評価に基づいて介入部位を選択し、その人の動作に変化があるかを確認することが大切です。
