「手術のあとや、癌の治療中は、できるだけ安静にしなさい」
少し前までは、これはごく当たり前の指導でした。
実際、体にメスが入った直後は炎症が起こり、
無理をすれば傷が悪くなることもあります。
だから安静が大切だったのは、間違いではありません。
でも、安静にしすぎると…
近年の研究や臨床経験から、こんなことが分かってきました。
- 動かない時間が長いほど、筋力や体力が落ちる
- 血液やリンパの流れが悪くなる
- 体の中に炎症物質が溜まりやすくなる
- 脳や神経が「この体は危険だ」と過敏になる
結果として、
炎症や痛みがなかなか引かない状態になることがあるのです。
早期に動く=無理をする、ではありません
ここで大切なのは、
「早く動く」=「頑張る」ではないということ。
最近すすめられているのは、
- ゆっくり
- 小さく
- 痛みを悪化させない範囲で
行う安全な運動です。
これだけでも体には十分な意味があります。
実は、やさしい運動は炎症を“片づける”
体を少し動かすと、
- 血流やリンパの流れが良くなる
- 炎症のもとになる物質が外に流れやすくなる
- 神経が「ここは大丈夫」と学び直す
つまり、
炎症を増やすのではなく、整理してくれるのです。
たとえるなら…
炎症は、部屋にたまったホコリのようなもの。
- ずっと動かない → ホコリが溜まる
- いきなり激しく動く → 舞い上がって大変
- ゆっくり換気する → 自然に外へ出ていく
早期の軽い運動は、
「換気をする」ような役割を果たします。
だから今は「動ける範囲で、早めに」
もちろん、
- 傷が安定しているか
- 医師の許可があるか
これは大前提です。
そのうえで、
できる範囲で体を動かすことが、
- 回復を早め
- 痛みを長引かせず
- 日常生活に戻りやすくする
と分かってきました。
最後に
昔の安静中心の考え方も、当時は最善でした。
でも今は、
「休みながら、少しずつ動く」
という選択肢が増えています。
不安なときは、
「どこまでなら動いていいか」を
医師やリハビリの専門家に聞いてみてくださいね。
体は、
