前回のブログでは、PEACE→LOVE 連続モデルを使って、
「守る時期」と「動かす時期は、対立するものではなく連続している」
という回復の考え方をご紹介しました。
今回はその続編として、
「では、どれくらい動かしていいのか?」
という、多くの方が一番悩む部分を、**図2(負荷曲線)**を使って解説します。
図が教えてくれるのは「回復のリアル」
図を見ると、回復の線はなめらかな右肩上がりの直線ではありません。
波を描きながら、上下しつつ、少しずつ前に進んでいます。
これはとても重要なポイントです。
①良い日と悪い日がある
②一度よくなった感じがしても、戻ることがある
③同じ動きでも、日によって痛みが違う
これらはすべて、正常な回復の一部です。
決して「治りが悪い」「失敗した」という意味ではありません。
縦軸と横軸の意味
図の見方を、まず簡単に整理しましょう。
- 縦軸:負荷量/感覚入力
どれくらい体に刺激を入れているか
どれくらい動かしているか - 横軸:時間
ケガをしてからの経過
この図は、「時間が経てば自然に良くなる」というより、
どんな負荷を、どう調整してきたかを表しています。
2つの大事なライン
図には、回復を考えるうえで欠かせない2本のラインが
あります。
① 負荷量の痛みのライン
このラインを大きく超えると、
痛みが強くなり、防御反応が高まります。
「我慢すれば強くなる」
「動かさないとダメになる」
そう思って無理をすると、ここを超えやすくなります。
② 負荷量の耐えられるライン
この範囲の中では、
体は刺激に慣れ、少しずつ強くなります。
重要なのは、
ギリギリを攻めることではなく、体が受け取れる範囲に収めることです。
なぜ「頑張りすぎ」は逆効果になるのか
整体の現場でよくあるのが、
「少し良くなったから、急に動かした」
「痛いけど、我慢して続けた」
というケースです。
図2で見ると、これは
一気に上のゾーンに跳ね上がる負荷になります。
結果として、
- 痛みが強くなる
- 体が緊張し、防御モードに戻る
- 「やっぱりダメだ」という不安が増す
こうして回復曲線は、遠回りになってしまいます。
回復は「上がって下がって、また上がる」
図の曲線が波打っているのは、
体が調整しながら学習している証拠です。
・今日は少し動けた
・明日は控えめに
・また次に少し増やす
この繰り返しで、
耐えられる負荷のラインそのものが、少しずつ上がっていきます。
つまり、
下がる日は「後退」ではなく、次に進むための調整日
図(PEACE→LOVE)とのつながり
ここで、前回の図1を思い出してください。
- PEACE期:守る・落ち着かせる
- LOVE期:少しずつ動かす
図は、このLOVE期をどう進めるかを具体的に示した図です。
LOVEとは「たくさん動かす」ことではなく、
体が安心して受け取れる刺激を、適切に与えること。
だからこそ、PEACEとLOVEは切り離せません。
整体で大切にしていること
整体では、次の3つを特に大切にしています。
- 今の体がどのラインにいるかを見極める
- 負荷を“足す”より“整える”ことを優先する
- 痛みを敵にしない説明をする
整体の調整は、
「無理に上げるため」ではなく、
曲線をなめらかにするためのサポートです。
回復は競争ではない
図が伝えている最大のメッセージは、これです。
回復は、早い人が偉いわけでも、一直線に進めた人が成功なわけでもありません。
体の声を聞きながら、その日の“ちょうどいい”を選び続けること。
それが結果的に、一番遠回りせず、安定した回復につながります。
整体では、
その判断を一人で抱え込まなくていいように、
一緒に体を読み解いていきます。
