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筋膜

肩こり・腰痛の“真犯人”は筋膜だった?〜炎症・線維化・可動性の乱れが背中を歪める〜ストレッチし過ぎに注意〜

 

  1. 筋膜可動性とは?

筋膜とは、筋肉を包み、層ごとに区切りながら全身をネットワークのようにつないでいる結合組織です。
健康な筋膜は、「層が滑り合う(せん断運動)」ことで筋肉がスムーズに動き、姿勢の調整も自然に行えます。
この“滑走性”=可動性
が低下すると、筋肉は硬く感じられ、動きに引っかかりが出てきます。

ただし――

可動性が高すぎても問題が生じます―過度なストレッチは慢性戦勝のリスクに

筋膜が過度に柔らかく、支持性が低下すると、「せん断力(shear stress)」に対して弱くなり、

層間がずれやすく、微小損傷や炎症が繰り返されやすい状態になります。

このような状態では、安定性を補うために筋肉が過緊張を起こし、結果的に慢性的なコリや痛みにつながることもあります。

つまり、筋膜の理想状態は「滑りすぎず、固まりすぎず」――“適度に動き、安定している”ことです。

炎症と間質のコラーゲン化

慢性的な炎症や過負荷が続くと、筋膜や間質(細胞のすき間を満たす結合組織)で線維化が起こります。
つまり、柔らかいゲル状の間質が硬いコラーゲンに置き換わるのです。
この状態では、

  • 筋膜どうしの滑走が悪化
  • せん断面運動が制限
  • 血流・リンパ流の停滞
    が生じ、局所的に“こわばり”や“だるさ”として感じられます。

筋膜性疼痛のメカニズム

筋膜は「痛みを感じるセンサー」を多く持っています。
特に、筋外膜筋膜や腱膜筋膜は細い神経線維によって密に神経支配されており、炎症や癒着が起こると痛み信号が発生します。

このような部位には、

  • 局所的な硬結(しこり)
  • 圧痛点(トリガーポイント)
    が出現します。
    これがいわゆる筋膜性疼痛症候群(Myofascial Pain Syndrome)です。

筋膜性疼痛は「活動期」と「潜伏期」に分かれます

状態 特徴
活動期 自発痛+圧痛。動作時に痛み・可動域制限あり。
潜伏期 硬結あり、圧痛がある場合も。痛みは感じないが、動きの制限や歪みが残る。

潜伏期の「痛くないこわばり」こそが、背中の歪み・姿勢のアンバランスを生む大きな要因です。
筋膜の滑走が偏ることで、筋肉の張力バランスが崩れ、脊柱がねじれたり湾曲していきます。

背中の歪みとの関係

背中(特に脊柱起立筋周囲)の筋膜が癒着すると、片側の可動性が落ち、
脊柱を支える力がアンバランスになります。
その結果:

  • 肩甲骨が片側だけ上がる
  • 背骨がねじれる(機能的側弯)
  • 腰椎の可動域が偏る
    といった「筋膜由来の歪み」が現れます。

逆に、筋膜の支持力が低下し過ぎて過可動になると、背骨を安定させるために筋肉が過剰に働き、
結果的に慢性的な筋緊張や“張り感”として感じられることもあります。
このように、
「可動性の低下」と「過可動」のどちらも、結果的に背中の歪みや痛みを引き起こします。

肩こりや腰痛を根本的に改善するには

  • 筋肉のストレッチではなく、筋膜層の滑走改善
  • 間質の線維化・癒着の解除
  • 過可動部位の安定化(支持性アップ)
  • 筋力強化や動的ストレッチによる体幹の左右バランスの再教育
    が欠かせません。

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