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肩こり・腰痛

筋の線維化と筋膜の癒着が「肩こり」「腰痛」を生み出すメカニズム

〜“硬い筋肉”の正体は、膜と間質のトラブル〜

こんにちは。所長の新井です。

肩こりや腰痛といえば「筋肉が硬い」「血行が悪い」とよく言われます。
しかし実際には、筋肉そのものよりも、その周囲を包む“筋膜”や“間質”の変化が、痛みや重だるさの原因になっているケースが多いのです。

  1. 筋線維化とは何か〜筋肉が“組織化”してしまう現象〜

筋肉は本来、柔らかい筋線維(筋細胞)の束でできています。
その間には「間質」という結合組織があり、血管・神経・間質液が流れています。

ところが、

  • 長時間の姿勢不良(デスクワーク・立ちっぱなし)
  • 慢性的な筋緊張
  • 血流不足や炎症の繰り返し

によって、間質で線維芽細胞が過剰に働き、コラーゲンを作りすぎてしまいます。
その結果、筋線維の間が硬い結合組織で埋め尽くされる状態になります。

これが「筋の線維化」。
いわば、筋肉の“すき間”がコンクリートで埋まったような状態です。

  1. 筋膜の癒着とは〜滑るはずの膜が、滑らなくなる〜

筋膜は、筋肉を包み、層構造で身体全体を連結する「動く膜」です。
通常、筋膜の層同士の間には間質液があり、滑走することでスムーズな動きを可能にしています。

しかし、線維化によってこの間質液の流れが滞ると、

  • ヒアルロン酸が粘性を増す
  • 水分が減り、膜同士が“張り付く”
  • 炎症後にコラーゲン沈着が進む

こうして起こるのが「筋膜癒着」。
動かすたびに膜が引っ張られ、可動域が狭くなり、
“動きの制限”と“痛み信号”の発生源になります。

  1. 線維化+癒着が痛みを生む3つのメカニズム

① 機械的ストレスの集中

筋膜が癒着すると、本来なら全体に分散される張力が一点に集中します。
その部分が常に「引っ張られる」「ねじられる」状態となり、
筋膜内の侵害受容器(痛みセンサー)が過敏に反応します。

② 血流・間質液の停滞

筋膜の滑走不全は、微小循環の停滞を引き起こします。
酸素不足(局所虚血)により乳酸などの代謝物が蓄積し、
神経終末を刺激して「ジーンと重だるい痛み」や「こり感」を生じます。

これが典型的な肩こり・腰の重だるさの正体です。

③ 神経感作と痛みの慢性化

慢性の炎症や圧迫が続くと、神経線維が“感作”され、
ごく軽い刺激でも「痛い」と感じるようになります。
さらに、筋膜ネットワークを通じて、離れた部位にも痛みが広がります。

たとえば、腰の筋膜の癒着が背中や太ももに痛みを飛ばすこともあるのです。

肩こり・腰痛が治りにくい理由

〜「筋肉」だけをほぐしても改善しない〜

多くの人がマッサージやストレッチをしても一時的な軽さしか得られないのは、
問題の本質が「筋膜と間質」にあるからです。

筋膜の癒着や線維化は、構造的な“滑走障害”です。
単に筋肉を押すだけでは、膜の層の動きは戻りません。
また、循環が悪いままだと、再び炎症・沈着が起こり、元に戻ってしまいます。

改善の鍵は「滑走」と「「循環」

筋膜や間質を再び滑らせるためには、

  • 筋膜リリース・整体による物理的滑走の再獲得
  • 血流・リンパ・間質液の流動化
  • 深い呼吸や動作トレーニングによる姿勢再教育や筋力トレーニング

この3つの要素が必要です。

特に、呼吸と姿勢の改善は、
歪みをとる鍵になり、歪みの改善により筋膜全体の張力バランスを整え、慢性痛を根本から変えていきます。

まとめ:線維化=痛みの温床、癒着=動きの制限

症状 背景の組織変化 主な原因
肩こり 僧帽筋・肩甲挙筋の筋膜癒着 姿勢不良・ストレス・呼吸浅化
腰痛 腰背筋群の線維化・浅筋膜癒着 座位姿勢・血流不足・運動低下

つまり、

「痛み」は、筋肉ではなく“膜と間質”のSOS信号。

筋膜の癒着を解放し、間質の流れを整えることで、
筋線維は再び滑らかに動き、肩も腰も軽くなっていきます。

 

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