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所長はこうみる

膝関節変調性疼痛とは?

〜「膝が悪い」のではなく「痛みが過敏になっている状態」〜

「レントゲンでは大きな異常がないのに膝が痛い」
「日によって痛みが強かったり弱かったりする」
「触ると膝のまわり全体が痛い」

こうした膝の痛みは、**変調性疼痛(へんちょうせいとうつう)**と呼ばれるタイプかもしれません。


変調性疼痛って、何が起きているの?

変調性疼痛とは、
**関節や筋肉の傷そのものよりも、神経が“痛みを感じやすくなっている状態”**のことです。

つまり、

「膝が壊れている」のではなく
 「膝を取り巻く神経システムが過敏になっている」

という状態です。


膝の変調性疼痛に多い3つの特徴

① ダメージの大きさと、痛みが釣り合わない

  • 軽い変形や炎症なのに強く痛む

  • 検査結果より、本人の痛みがずっと強い

これは「痛みのボリューム」が神経側で上げられているためです。


② 押すと、痛い範囲が広がりやすい

  • 膝だけでなく

  • 太もも

  • 股関節の近くまで

**痛みが“にじむように広がる”**のが特徴です。


③ 姿勢や歩き方が、痛みのスイッチになる

  • 立ち方が崩れる

  • 歩き方が乱れる

  • 片脚に体重が乗る

こうした動作のクセが、痛みを一気に強くします。


なぜ「運動療法」が効くのか?

変調性疼痛の本質は
神経の過敏化

このタイプの痛みは、

  • マッサージ
    だけでは、なかなか落ち着きません。

運動には、神経を落ち着かせる3つの効果があります。


① 膝まわりの“センサー”を整える

膝や太もも、足首には
**「今、どう動いているか」を脳に伝えるセンサー(固有受容器)**があります。

痛みが続くと、このセンサーがサボり始めます。

動きが雑になる
 脳が不安になる
 痛みを強く出す

正確でやさしい動きは、
神経に「大丈夫だよ」という情報を送り返します。


② 血流と“滑り”を回復させる

 

痛みがあると、どうしても動かさなくなります。

すると、

  • 筋膜が滑らなくなる

  • 水分が滞る

  • こわばりが進む

そして
「動かすと痛い → さらに動かない」
という悪循環に。

軽い運動は、このループを断ち切る最短ルートです。

③ 脳が覚えた「膝=危険」を書き換える

痛みが長引くと、脳は
「膝を動かす=危ない」
と学習します。

痛みの出ない範囲での運動は、
この間違った学習をリセットし、

 痛みに対する耐性を回復させます。


膝の変調性疼痛に合う運動の考え方

最初は「筋トレ」ではありません

目的は
筋肉を強くすることではなく
神経を落ち着かせること


① 痛みゼロでできる“リセット運動”

  • 足首をゆっくり動かす

  • 太ももに軽く力を入れて、抜く

  • 痛みが出ない範囲だけ動かす

👉 「安全な動き」を脳に覚えさせます。


② 軽い動きで、滑りと循環を回復

  • ゆっくり脚を上げ下げ

  • 小さな動きでハムストリングを使う

  • 歩幅を小さく、まっすぐ歩く練習

ゆっくり動くことが最大のポイント


③ 少しずつ荷重に慣らす

  • 浅いスクワット

  • 低い段差の昇り降り

  • 安定した場所での片脚立ち

「動いても痛くならない経験」を積み重ねます。


回復しにくい人に多い落とし穴

痛いのを我慢して動かす

 筋トレだけで何とかしようとする
 歩き方や体重の乗せ方を変えていない
 膝だけを見て、股関節や足首を無視する

変調性疼痛は、
身体全体の動きの問題として考える必要があります。


まとめ

膝の変調性疼痛は、

  • 膝が壊れているわけではない

  • 神経が「痛みに敏感」になっている状態

  • 正しい運動が、最高の治療になる

という特徴を持ちます。

もし
「検査では問題ないのに痛い」
「なかなか良くならない」
と感じているなら、

それは治らない痛みではなく、
“アプローチを変えるべき痛み”かもしれません。

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