〜“背骨が歪む”本当の理由は、筋のセンサーの偏り〜
「姿勢が歪んでいると言われた」
「まっすぐ立っているつもりなのに、写真を見ると傾いている」
「整体で整えても、すぐ元に戻る」
こうした悩みの背景には、
脊柱起立筋(背骨を支える筋肉)にある“感覚センサーのズレが関わっていることが少なくありません。
1. 固有受容器とは?
〜身体の“位置センサー”の正体〜
私たちの身体には、
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どれくらい筋が伸びているか
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どれくらい力が入っているか
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関節がどの位置にあるか
を無意識に脳へ伝えるセンサーがあります。
これが 固有受容器 です。
代表的なものは2つ。
● 筋紡錘(きんぼうすい)
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筋肉の中にある
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筋が伸びた瞬間を感知
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「伸びすぎないように縮め!」と反射的に指令を出す
● 腱器官
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筋と腱の境目にある
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張力が強すぎるとブレーキをかける
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筋を守る安全装置
この2つがバランスよく働くことで、
私たちは 姿勢を保ち、転ばず、スムーズに動ける のです。
2. 側弯があると、何が起きるのか?
背骨の両側には、
脊柱起立筋という姿勢制御の中枢となる筋肉が並んでいます。
本来は左右がペアで、同じ情報を脳に送っています。
ところが、側弯(背骨のねじれや傾き)があると…
● 凸側(引き伸ばされている側)
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筋が常に伸ばされる
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筋紡錘が「引っ張られすぎ!」と過剰反応
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常に緊張が抜けない
● 凹側(縮んでいる側)
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筋が短いまま
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筋紡錘がサボり気味
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正確な長さ情報が出ない
結果として、
左右でまったく違う姿勢情報が脳に送られることになります。
3. センサーのズレが「姿勢の誤作動」を起こす
脳は、筋から届く感覚情報をもとに
「今の姿勢は安全か?」
「どれくらい力を入れるか?」
を決めています。
しかし左右の情報がズレると、
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脳が「まっすぐ」と思っている姿勢が、実際は傾いている
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凹側の筋は常に力が入り、どんどん短くなる
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凸側の筋は引き伸ばされ続け、慢性的に疲れる
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背骨のねじれが“正しい姿勢”として固定される
つまり、
感覚のズレ → 筋の偏り → 歪みの固定化
という悪循環に入ってしまうのです。
4. なぜ肩こり・腰痛が慢性化するのか?
センサーが狂ったまま筋が緊張し続けると、
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筋膜が滑らなくなる
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血流が悪くなる
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疲労物質が溜まる
結果として、
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いつも張っている
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押すと痛い
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動かすと違和感が出る
という 慢性の肩こり・腰痛 が完成します。
しかも厄介なのは、
筋膜が固くなる
感覚センサーがさらに鈍る
姿勢がもっと歪むという負のループが続くこと。
5. 改善の鍵は「感覚の再教育」
「硬いところをほぐすだけ」では、
この問題は根本的に変わりません。
なぜなら、
脳が“間違った姿勢”を正しいと思い込んでいるからです
。
改善には順番があります。
① 骨格を整える
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背骨・骨盤の大きなズレを減らす
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左右差を小さくする
② 筋膜の滑りを回復
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深層の筋を中心にリリース
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感覚入力を均等にする
③ 呼吸と体幹を連動させる
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胸郭と骨盤を一緒に動かす
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姿勢センサーを目覚めさせる
④ バランス練習で仕上げ
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目を閉じて立つ
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ゆっくり重心移動
→ 脳の姿勢マップを書き換える
まとめ
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背骨の歪みは「骨」だけの問題ではない
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脊柱起立筋の感覚センサーの左右差が、歪みを固定する
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その結果、肩こり・腰痛が慢性化する
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本当の改善には
骨格 → 筋膜 → 神経(感覚)
の順でのアプローチが必要
姿勢は「形」ではなく、
脳が感じている“感覚の結果”です。
だからこそ、
正しく整えれば、身体はちゃんと変わっていきます
。
