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肩こり・腰痛

脊柱の歪み(側弯)が筋膜の癒着を強め、腰痛・肩こりを悪化させる理由

〜「骨の歪み」ではなく「膜の偏り」が痛みを作る?〜

こんにちは。所長の新井です。

「背骨が曲がっている」「側弯がある」と言われたことはありませんか?
でも実は、多くの慢性腰痛や肩こりの背景には、単なる骨格の歪みではなく、筋膜の癒着とねじれが深く関係しています。

今回は、脊柱の歪み(特に側弯)が、
どのようにして筋膜の癒着を増やし、痛みを作り出していくのかを解説します。

  1. 脊柱の歪みは「力の不均衡」から始まる

脊柱(背骨)は、本来「S字カーブ」を描いて衝撃を吸収するようにできています。
ところが、姿勢のクセ・筋バランスの崩れ・呼吸の左右差などによって、
ある方向にねじれが固定されてしまうことがあります。

この状態が機能的側弯です。

背骨が左右非対称に傾くと、筋肉や筋膜には常に一方向の張力がかかり続けます。

  • 一方の筋膜は「引っ張られたまま」伸ばされ
  • 反対側の筋膜は「たるんだまま」縮んでいく

これが、筋膜ネットワークのテンションバランスを崩す最初の一歩です。

  1. 不均等な張力が「癒着」を生む

筋膜は層構造(浅筋膜・深筋膜・筋外膜など)でできており、
それぞれの層の間に間質液(滑走液)が存在します。

脊柱が歪んで筋膜に偏った張力が加わると、
ある側の層は常に圧縮され、他方は過伸展状態になります。

すると、次のような変化が起こります。

  1. 局所的な血流低下(特に圧縮側)
  2. 間質液の流れが滞り、滑走不全に
  3. 線維芽細胞が過剰にコラーゲンを沈着
  4. 結果、筋膜層が癒着して動かなくなる

つまり、脊柱の歪みそのものが“癒着を作る力”になっているのです。

  1. 慢性的なストレスが「線維化」を進行させる

癒着が長期間続くと、局所に微細な炎症が起こり、
修復過程でコラーゲンが過剰に生成されます。

これが「筋の線維化(fibrosis)」です。

特に、側弯の“凸側”では常に筋肉が引き伸ばされ、
“凹側”では筋膜が圧縮されて酸欠状態になります。

その結果、

  • 凸側 → 硬く引っ張られた筋膜の癒着
  • 凹側 → 線維化と血流障害による硬化

という“左右非対称の硬さ”が固定されていきます。

痛みが生まれるメカニズム

筋膜の癒着と線維化が進むと、次の3つの現象が起こります。

① 機械的刺激の集中

癒着部は伸縮できないため、動作のたびに周囲の膜が引き裂かれるようにストレスを受けます。
この刺激が筋膜内の侵害受容器(痛みセンサー)を興奮させ、
「ピンポイントの痛み」や「鈍いコリ感」を感じます。

② 循環障害と代謝低下

癒着部では血流やリンパ流が滞るため、
乳酸・ヒスタミン・ブラジキニンなどの痛み物質が蓄積。
これが、腰の重だるさ・肩の張り・慢性疲労感を引き起こします。

③ 神経感作

長期間の炎症やストレスで神経が過敏化し、
軽い動きや圧でも痛みを感じやすくなります(中枢性感作)。
これが「慢性腰痛・肩こりがなかなか治らない」理由のひとつです。

改善のカギは「膜の滑走」と「軸の再教育」

筋膜の癒着を解放し、脊柱のバランスを整えるには、
構造と動作の両面からアプローチする必要があります。

🔹施術的アプローチ

  • 筋膜リリース・軟部組織リリースで癒着を解放
  • 脊柱の可動性を回復(頸椎・胸椎・腰椎・肋骨の動き)
  • 間質液の流動性を促す軽いポンプ運動

🔹筋力強化による運動学的アプローチ

  • 呼吸法(特に横隔膜の左右差を整える)
  • 体幹の安定化エクササイズ(内側の筋群)
  • 姿勢再教育(骨盤・胸郭・頭部のアライメント)

これにより、「動く膜」→「整う背骨」→「軽い身体」という流れを作ることができます。

機能的側弯は「背骨が歪む」よりも、「膜が歪む」ことが先に起きている?

現象 背景の変化 結果
脊柱の側弯 テンションの不均衡 膜の圧縮と伸展の差
筋膜の癒着 間質液の停滞・コラーゲン沈着 滑走不全・血流障害
痛み 神経感作+循環不全 慢性腰痛・肩こり

つまり、

脊柱の歪みは“結果”であり、筋膜の癒着が“原因”であり可能性と、逆の可能性も考えられます。
脊柱の歪みと筋膜の癒着療法を考慮に入れながらの施術が重要です

“痛みのないしなやかな身体”を作るお手伝いができれば幸いです。

 

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