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脳科学コンディショニング法

肩こりや腰痛への強い刺激が筋肉を壊すことがある ―微細損傷と血管反応からみた「遠隔アプローチ」の有効性―

肩こりや腰痛時の筋肉の硬い部位に対し、強い力でのもみほぐしを行うと「効いた感じ」が得られる一方で、
組織学的には筋線維や毛細血管への微細損傷が生じる可能性があります。
この反応は、局所炎症・むくみ・線維化といった連鎖を引き起こし、
結果的に硬さの慢性化や再発の原因となることが知られています。

肩こりや腰痛時の筋肉が硬くなる背景-筋繊維・毛細血管損傷のメカニズム-

肩こりや腰痛時の筋肉が硬くなる背景には、慢性的な血流低下や代謝産物の蓄積による局所性の虚血があります。
このような状態では、筋線維の細胞膜や周囲の毛細血管が脆弱化しています。
強い圧力が加わると、

  • 筋線維の微小断裂(micro-tear)
  • 毛細血管破綻による出血性変化(micro-bleeding)
  • 炎症性サイトカインの放出
  • 線維芽細胞活性化によるコラーゲン過形成(線維化)

といった一連の組織変化が生じ、
これがいわゆる「揉み返し」や「慢性的な硬結化」の一因と考えられます。

■ 肩こりや腰痛の硬い所を揉むより「遠隔から緩める」意義

筋膜は手から足の筋肉までつながって連続性があります。また、運動も単独の筋活動ではなく全身の筋肉に連鎖的な反応が起きます。肩こりや腰痛時の筋肉が硬さは、単独の筋に閉じた現象ではなく、筋膜連鎖(myofascial chain)や運動連鎖(kinetic chain)の中で生じる結果です。
したがって、症状が現れている部位だけを直接刺激しても、
原因筋や関連組織のこわばりを解放しない限り、根本的な改善は得られません。

遠隔部位(例:腰部の硬さに対する下肢・骨盤アプローチ、肩こりに対する胸郭や頸椎基部の硬さなど)を整えることで、神経的・筋膜的なテンションバランスが再構築され、局所の防御性収縮による硬さが解除されていきます。

■ 神経・循環系からみた安全な刺激量

ストレッチや揉むなどの機械的刺激は、侵害受容器を介して交感神経活動を亢進させ、一時的に筋緊張や血管収縮を助長します。
一方、適度な遠隔刺激は副交感神経系の反射性反応を引き出し、局所循環を促進しながら全体の調和をとることができます。

このように、遠隔的アプローチは「弱い刺激でも強い効果を得る」ための
生理学的に合理的な方法と言えます。

肩こりや腰痛部位よりも遠隔の局所刺激から全体調整へ

観点 強い局所刺激 遠隔からの調整
組織反応 微細損傷・炎症・線維化 緊張緩和・血流改善
神経反応 侵害刺激・交感神経優位 自律神経バランスの調整
効果の持続 一時的 中長期的に安定
アプローチ思想 対症的 原因構造への働きかけ

肩こりや腰痛時の筋肉の硬い部位を強く押すことが「効く」とは限りません。

生理的・構造的な連動を理解し、遠隔的に緩めることこそが、本質的な回復へ導く鍵となります。

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