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肩こり・腰痛

特発性側弯症における「筋膜アプローチの順序」の重要性

〜脊柱を整えてから膜を整える、が理にかなっている理由〜

 「肩こりや腰痛が身体の歪み(側弯症)が原因と言われて筋膜リリースをしても、すぐ戻ってしまう…」

その原因、実は“アプローチの順番”にあります。

なぜ、施術しても効果がないのか?

その原因は、筋膜ではなく骨格側(背骨)にあるかもしれません。
特に特発性側弯症(構造的な側弯)による肩こりや腰痛の場合、
まず背骨(脊柱)へのアプローチを優先する必要があります。

 側弯症には2つのタイプがあります

  • 機能的側弯(Functional Scoliosis)

姿勢のくせや筋バランスの乱れによって一時的に背骨が傾いている状態。
背骨そのものは変形していないので、筋膜や筋肉を整えれば元に戻ります。

 原因:筋膜レベルの滑走障害・筋のアンバランス
アプローチ:筋膜リリース → 背骨調整(膜優先)

  • 特発性側弯(構造的・Idiopathic Scoliosis)

背骨そのものがねじれ・変形し、骨格レベルで固定されている状態。
つまり、「骨が歪んでいて、筋膜がそれに合わせて固まっている」ケースです。

原因:骨格の構造的変化
アプローチ:背骨調整 → 筋膜リリース(構造優先)

骨格のねじれが「膜の歪み」を固定している

脊柱が構造的にねじれると、その形に合わせて筋膜もリモデリング(再構築)されます。

つまり、

「筋膜の癒着が背骨を歪めている」のではなく、
「背骨の歪みが筋膜の癒着を固定している」

ということです。

この状態で筋膜だけをリリースしても、
骨格がまた同じ方向に引っ張るため、すぐに戻ってしまうのです。

 正しい順番:「脊柱 → 筋膜」が理にかなう理由

① 力のかかる方向(テンション)をリセットできる

背骨の回旋や傾きを整えると、筋膜全体の引っ張り方向(ベクトル)が変わります。
→ リリース後の再癒着が起こりにくくなります。

② 滑走層が整い、間質液の流れが改善

脊柱アライメントが整うと、筋膜と筋肉の間の「滑走層」に均等な圧がかかります。
→ リリース後の回復力が高まります。

③ 神経のセンサー(固有受容器)の働きが安定

側弯では、左右の脊柱起立筋にある神経センサーの出力がアンバランス。
骨格を整えずに膜だけ緩めても、神経制御が不安定なままになります。
→ 背骨を整えてから筋膜を緩めることで、姿勢保持のバランスが安定します。

施術の流れ

ステップ アプローチ内容 目的
① 脊柱モビライゼーション・軽度矯正 背骨の回旋・傾斜を整える 構造的テンションのリセット
② 深層筋膜リリース 起立筋群・多裂筋など 滑走層の再形成
③ 表層筋膜の調整 広背筋・僧帽筋など 表層テンションの均衡化
④ 呼吸誘導・体幹安定化 横隔膜・腹横筋など 再癒着防止・安定化

こうすることで、
「骨格のねじれ → 筋膜の硬化 → 慢性痛」
という負の連鎖を断ち切ることができます。

まとめ

側弯のタイプ 主な原因 効果的な施術順序
機能的側弯 筋膜・姿勢・筋バランス 筋膜 → 骨格
特発性側弯 骨格の構造的変化 骨格 → 筋膜

骨格が原因で筋膜が固まっているなら、
まず「骨格を解放」してから「筋膜を整える」。
これが最も合理的で、効果が長持ちする方法です。

筋膜は常に骨格のテンションに従います。
だからこそ、構造的な側弯では
「骨 → 膜 → 動作」の順で整えることが重要です。

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