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健康

「むくみ」を解消したいなら、体の「隠れた主役」を知ろう

朝起きたら顔がパンパン、夕方には足が重くて靴がきつい…。多くの方が悩む「むくみ(浮腫)」ですが、単に水を飲みすぎたから、という単純な理由だけではありません。

その本当の原因は、細胞と細胞の隙間に潜む、体の「隠れた主役」ともいうべき組織、「間質(かんしつ)」にあります。

この間質は、あなたの筋肉や臓器の土台であり、体液や栄養、老廃物がやり取りされる「交通の要所」です。間質は、血液中の水分(間質液)が溜まりやすい場所でもあります。

もし、この間質が機能不全に陥るとどうなるでしょうか?

間質に溜まった水分や老廃物がうまく回収されず、あなたの体は「水浸し」の状態になり、それが「むくみ」として表面に現れてしまいます。

今回は、体の水分を回収する重要なシステム「間質」に焦点を当て、なぜ筋肉が硬くなるとむくみやすくなるのかを分かりやすく解説します。

むくみの原因は「間質液」の渋滞

私たちの体の細胞と細胞の隙間は、間質(かんしつ)と呼ばれる組織で満たされています。そしてその隙間にある水分こそが間質液です。

間質液は、細胞に栄養を届けた後、老廃物を含んだ「汚れた水」となります。この水分が過剰に溜まった状態こそが、むくみ(浮腫)の正体です。

【正常な体液の流れ】

  1. 血管から染み出した間質液の大部分は、静脈に戻ります。

  2. 血管に戻りきらなかった残りの水分(約10%)と、タンパク質などの大きな老廃物は、リンパ管という専用の「下水道」に回収され、処理されます。

この「リンパ管による回収システム」が滞ると、水分が間質に溢れ出し、むくみが起こります。

  1. 筋肉の「硬さ」がリンパ管を圧迫する

なぜ筋肉の硬さが、この重要な回収システムを邪魔するのでしょうか?

硬い筋肉は、単に柔軟性がないだけでなく、組織の「土台」である間質全体が硬くなっている状態を意味します。

① 外部からの「ポンプ作用」の低下

リンパ管には、静脈のような強力なポンプ機能(心臓)がありません。リンパ液は主に、周囲の筋肉の収縮や、皮膚の動き(マッサージなど)による外部からの圧力によって押し流されています。

  • 筋肉が硬い状態 = 筋肉が伸び縮みしにくい状態
  • リンパ管を押し出すポンプ作用が十分に働かず、リンパ液の流れが滞ります。

② 硬化による「直接的な圧迫」

慢性的なストレスや炎症で筋肉が硬化(線維化)すると、筋肉内の間質組織がコラーゲンでガチガチになります。

  • 硬くなった間質は、その隙間を通っている毛細リンパ管を直接的に圧迫します。
  • 血管に戻れない間質液はリンパ管に吸収される必要がありますが、「入口(リンパ管)」が潰され、水分の注入自体が妨げられてしまうのです。

このように、筋肉の硬さは、リンパ管のポンプ作用を奪い、さらに物理的にリンパ管を圧迫することで、間質液の回収を深刻に邪魔し、慢性的なむくみを引き起こします。

硬いむくみ(線維化)の悪循環

リンパ管の回収が滞り、間質液にタンパク質が溜まり続けると、さらに悪いことが起こります。

  1. タンパク質の貯留:リンパ管が詰まると、血管に戻れないタンパク質が間質に溢れます。
  2. 炎症と硬化(線維化):このタンパク質は組織にとって異物であり、慢性的な炎症を引き起こします。その結果、間質組織にコラーゲンが過剰に蓄積し、組織自体がゴムのように硬く変化します(線維化)。
  3. むくみの悪化:硬くなった組織はさらにリンパ管を締め付け、むくみが慢性化・重症化するという悪循環に陥ります。

対策:むくみを流すための2つのアプローチ

硬さから来るむくみを解消するには、「水分の排出」と「筋肉の柔軟性回復」の両方が必要です。

  1. ポンプ作用の回復: 軽い運動、ウォーキングなどで筋肉を動かすこと。また、優しく皮膚をなでる用手的リンパドレナージ(マッサージ)で、外部からリンパ液の流れを誘導してあげましょう。
  2. 間質の柔軟化: ぬるま湯での入浴や、筋膜リリース(フォームローラーなど)で硬くなった筋膜や間質組織をほぐし、リンパ管の通り道を開放してあげることが重要です。

 

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